最近、AIの進化によって、
「マニュアルもAIに作らせればいいのでは?」
という話を聞くことが増えました。
実際、AIはかなり便利です。
文章のたたき台を作ったり、FAQを整理したり、情報を要約したり。
マニュアル作成でも、大きく役立つ場面があります。
ただ、SaaS運用やシステムマニュアルの現場に関わっていると、実際に重要なのは、
「AIが文章を書けるか」ではなく、
「AIが誤解しない状態まで情報が整理されているか」だと感じます。
そして、その整理は、今もなお人の手が必要です。
AIは便利だが、“推測”していることがある
AIを使っていて感じるのは、
かなり自然に見える回答でも、実際には“推測”で補っていることがある、という点です。
例えば、私自身が e-Tax を使って納税しようとした際、AIに画面の写メを送りながら操作を確認したことがありました。
しかし、
- 実際には存在しないボタンを案内された
- UI変更後の画面に対応できていなかった
- 「おそらくこうだろう」という形で補完していた
といったことが何度もありました。
一見すると自然な回答なのですが、実際の画面とは違う。
これは、実務では結構危険です。
特にSaaSやWebシステムは、
- ボタン位置が変わる
- メニュー名が変わる
- 権限で表示が違う
- UIが頻繁に更新される
ということが普通に起こります。
つまりAIは万能ではなく、
曖昧な情報や変化し続けるUIに対しては、“それらしく補完する”ことがあるのです。
マニュアル作成の考え方については、以下の記事でも詳しく解説しています。
>>業務マニュアルの作り方|品質を安定させるために最初に決めること
AIに必要なのは、「整理された情報」

AIをうまく使うために必要なのは、単純にスクリーンショットを渡すことではありません。
前提として、
- 用語が統一されている
- 業務フローが整理されている
- 判断基準が明文化されている
- 情報の保存場所が整理されている
- 更新ルールが決まっている
こうした土台が必要になります。
逆に、この状態が整っていないままAIを使うと、AIは断片情報をもとに“もっともらしい答え”を返します。
しかし、それが現場で本当に使えるとは限りません。
だから重要なのは、「AIにマニュアルを作らせる」ことではなく、
「AIが理解できる状態に情報を整理する」ことです。
実は、人に対しても同じ
この話は、AIだけの話ではありません。
人間同士であれば、
「右上のボタンです」
「この画面です」
みたいな、ふわっとした説明でも、なんとなく通じることがあります。
しかし、実際のカスタマーサポートでは、それでは足りません。
特に、
- ITに慣れていない方
- 初めてシステムを触る方
- 高齢の利用者
- 部署や役割が違う利用者
に対しては、かなり丁寧な説明が必要になります。
実際、多くのSaaS企業やWebサービスが、大きなカスタマーサポート部門を持っています。
電話で、
「そのボタンを押してください」
「次にこの画面が表示されます」
と説明するには、
- UI名称の統一
- 用語整理
- 画面構成整理
- 操作フロー整理
が必要になります。
つまり、“AIに伝わる情報整理”は、“人にも伝わる情報整理”でもあるのです。
マニュアル作成に必要な「整理力」についてまとめた記事も参考にしてください。
>>マニュアル作成代行で重要なのは、「文章力」より「整理力」
AI時代だからこそ、マニュアル整備が重要になる
AIは、今後さらにマニュアル作成やFAQ運用を変えていくと思います。
ただ、
- 情報が散在している
- 用語が統一されていない
- 運用ルールが曖昧
- 更新管理されていない
- 業務知識が属人化している
状態では、AIの回答品質も安定しません。
便利そうに見えて、逆に問い合わせや運用負荷が増えることもあります。
だからこそ今後は、「AIを導入すること」そのものより、
「AIが理解できる状態に情報を整理すること」の方が重要になっていくと思います。
そしてその工程は、
- 現場理解
- 業務理解
- 運用理解
を伴うため、完全に自動化しきれるものではありません。
ここに、“人力”の価値があります。
AI時代のマニュアル整備や情報整理については、MANUAL EXPERT の事業概要でも、基本的な考え方を整理しています。
「なぜ今、情報整理や業務整理が重要になるのか」については、こちらも参考にしてください。
>>MANUAL EXPERT|事業概要 – AI時代だからこそ、情報整理が重要になる –
MANUAL EXPERTが支援していること
MANUAL EXPERTでは、単なるマニュアル作成だけではなく、
- 業務整理
- SaaS運用資料整備
- FAQ整備
- Help Center構築
- 業務フロー整理
- 情報設計
まで含めて、“運用され続けるドキュメント基盤”づくりを支援しています。
大切なのは、
- 人にも伝わる
- AIにも扱いやすい
- 現場で運用され続ける
状態をつくることです。MANUAL EXPERTが提供しているサービスは以下を参考にしてください。
また、マニュアル制作や業務整理、大規模ドキュメント整備などの実績については、以下もご参照ください。
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